2011年4月25日月曜日

【病状等説明】No.5

【経過】
2011/01/31より寛解導入療法開始。治療前FISH法での染色体変異96%。
                 発熱性好中球減少症発症し、一部中断。
2011/02/10 末梢血より芽球消失。
2011/03/22 骨髄検査にて腫瘍細胞減少あるも残存。FISH法では12%。
2011/03/24より寛解導入療法2開始。発熱なく薬剤投与終了。
2011/04/22 移植治療に備え、埋め込み型中心静脈カテーテル留置。
                   骨髄検査にて腫瘍細胞残存あり。
                   FISHの結果はまだだが、表面マーカーからは前回と同程度の残存が予想される。

【治療方針について】
急性骨髄性白血病では、2回の寛解導入療法で寛解に入れることを目標としているが、これまでの2回の治療により、まったく効果がないわけではないが、寛解に入っていないことにより反応不良と判断する。このままプロトコール通りの化学療法継続にて寛解に入ることは期待し難く、治療方針の変更が求められる。
種類を変えた薬剤投与により、寛解に入った後で移植をしたい。

【選択肢】
①CD33陽性細胞(白血病細胞の表面にある蛋白質)に特異的に作用する「分子標的薬剤」であるゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ):再発や治療抵抗性の急性骨髄性白血病に対して効果が報告されており、単剤では寛解導入率は高くない。海外では併用にて効果はあがらず、死亡率があがったとして販売中止になっている。
②FLAG-IDA(フルダラビン/キロサイド/イダマイシン/ノイトロジン):好中球遊走因子製剤で骨髄中の幹細胞から好中球の産生を促す。またフルダラビンとキロサイドを併用することでキロサイドの抗白血病細胞効果を増強させる。再発性・難治性の白血病に対して使用され、成績を上げていることが報告されている。
③上記②のFLAG-IDAに①のマイロターグを併用。難治性の急性骨髄性白血病に試みられているが、海外での販売中止をうけマイロターグは原則的に単剤で使用することになっている。

⇒②のFLAG-IDAを選択。

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