2012年1月24日火曜日

【病状等説明】No.12

■感染
1月5日より発熱あり、血液培養より緑膿菌検出→緑膿菌敗血症と診断。
各種抗生剤投与、カテーテル抜去にともない一時的な解熱がみられることもあったが、血液から緑膿菌が消えない状態が続いている。
緑膿菌の感受性から現在投与中の抗生剤は効くはず(耐性菌ではない)であるが、除菌できておらず、移植後という極度の免疫不全状態であることが、一因であると考えられる。
GVHD予防として投与中のステロイドは減量中、プログラフの血中濃度も低めとしているが、明らかな改善傾向はみられていない。
抗生剤が届きにくいような膿瘍などを形成していないか、全身CT、心臓・腹部超音波検査にて検索したが、明らかな膿瘍形成は認めていない。
緑膿菌に有効な抗生剤を種類も量も最大限に投与しているが、いまだ改善傾向に乏しく、非常に厳しい状態である。
このまま改善しないと、各種臓器障害が悪化し、多臓器不全、生命の危険もあり得る。

■呼吸
気管内挿管し、人工呼吸管理により、ICU入室時よりは改善しているが、まだ肺水腫所見はあり、人工呼吸管理を要する状態である。抜管可能かもしれないが、敗血症が持続しているため慎重に経過観察していく。

■循環
敗血症に伴うと考えられる心不全の状態。心拡大、心機能低下はみられるが、循環作動薬などを投与しなくても血圧、脈拍は保たれており、感染が沈静化すれば改善が期待できる。

■腎機能
敗血症、ないしは腎障害を起こしうる多種の薬剤投与により、やや腎機能障害がみられているが、利尿剤投与にて尿量は保たれている。

■骨髄検査
末梢血検査にて血球減少がすすんできたため、遅発性の拒絶や再発の有無をみるために骨髄検査を施行。骨髄細胞数の減少が見られており、遅発性の拒絶や再発の可能性は否定できない。FISHの結果を待ち、慎重に判断する必要がある。遅発性の拒絶が起きた場合は再び好中球がない状態になるため、現状では致死的となる可能性が高い。緊急的に母親から幹細胞を追加したとしても、間に合わない可能性が高い。また再発した場合は、延命的な治療への移行を考慮せざるを得ない。

以上

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