2011年11月8日火曜日

【病状等説明】No.10

先週のマルクのFISHの結果で再発が確認された。前回(4回目)の治療で初めて寛解に入り、同じ治療を追加し、より深い寛解に持ち込み、臍帯血移植をおこなうことを目標としてきたが、困難な状況となった。

これほど強い治療を継続し、治療中に再発してくるということは、より一層難治であると判断でき、一部には抗がん剤の耐性もできている可能性もある。このため、現存する治療で寛解に持ち込むことは不可能と思われる。

今後の選択肢として、
(1)非寛解での臍帯血移植:可能性はゼロではないが、GVL効果があまり強くない臍帯血移植では、治癒を望むのは困難。
(2)非寛解での母親からのミスマッチ移植:GVL効果は臍帯血より強いと思われるが、移植関連合併症での死亡率が臍帯血より確実に高く、今のところ確立された移植法ではない。
(3)FLT3阻害剤:現在一部の腎癌などで国内でも適応があるが、国内で白血病に使用された経験は非常に少なく、小児例においてはほぼない。海外でも臨床試験として使用されている程度で、有効性は不明である。

(1)で治癒を望むのは非常に困難であり、(2)の方が治癒に至る可能性があるかもしれない。しかし、合併症死のリスクがあがることを考慮すれば、(1)も(2)も同等である可能性もある。これについて明らかなエビデンスはない。

(2)については、当院でも数例経験があるが、名古屋大学が積極的にやっているため、とりあえず受け入れ状況を確認したが、手一杯で受け入れ不可能とのことであった。他で比較的積極的にやっている施設として、大阪府立母子保健総合医療センターがあるが、こちらには現時点で打診はしていない。

まず、(1)か(2)か、(2)であるなら当院でするのか、他院にお願いすることを検討するのかを、可及的速やかに両親で相談して決めて欲しい。

(3)については、海外でも治験段階であり効果の有無は不明である。このため、移植という最終手段が残っている以上は、積極的におこなうことはできない。倫理委員会にかけ許可を得る必要もある。

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